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用語集
* J-PARC -->リンクはコチラ
大強度陽子加速器施設J-PARC(Japan Proton Accelerator Research Complex)は、大強度の陽子ビームから、中性子、ミュオン、ニュートリノ、K中間子などの多彩な二次粒子ビームを作り出し、 素粒子や原子核の研究から宇宙の始まりの謎を解く研究や、原子・分子の構造観察から物質・生命の起源を探る研究を進める研究施設。
*J-PARC ミュオンg-2/EDM実験
ミュオン異常磁気能率と電気双極子能率を同時に超精密測定することにより、素粒子標準理論の綻びを検証する実験。これにより、素粒子標準理論を超える物理現象のゆるぎのない証拠を掴むとともに、その背後の時間反転対称性を同時に研究できる。新しく発明された、3次元らせん入射法によって始めてこの実験が実現可能となった。
* g-2(異常磁気能率)
量子補正によってg因子が2からズレる大きさ。
素粒子標準理論では、それを構成する粒子と相互作用によって正確に計算することができ、未知の粒子や相互作用がある場合も、量子補正として現れる。2021年、フェルミ国立研究所が、先行実験と無矛盾であるとする測定結果を発表し、素粒子標準理論の予想値から誤差の4倍程度大きいことが示唆された。
* EDM(電気双極子能率)
電場に対して、粒子スピンの応答を示す物理量で、パリティ対称性・時間対称性を破る。
現在のところ、ミュオンに限らず、素粒子のEDMはどれも未発見である。時間反転対称性とEDMの関係のわかりやすい説明はコチラ
*3次元螺旋入射
通常の加速器ビームが輸送部と蓄積部が同一平面上にあるのに対し、 輸送部と蓄積部をらせん状に鉛直方向につなぐ入射軌道をもつ。 ユニット構造のソレノイド磁石に3次元入射によるビーム入射を導入することで、 相対論的エネルギーの荷電粒子をサブメートルの小さい軌道半径に閉じ込めることを可能にする。 飯沼が10年がかりで取り組む前例のない入射手法である。スライド説明はコチラ
*スピン歳差運動
電子やミュオン、陽子など磁気モーメントをもつ全ての粒子は微小な磁石であるため、 磁場中では、磁気モーメントμと磁場Bの外積方向(μ×B)の力を、μは常にうける。 この結果,ベクトルμはBのまわりに回転を引き起こし、歳差運動(回転するコマの軸が重力の周りをまきつくような運動状態)を起こすこと。 医療用MRI画像は人体の水素原子がスピン歳差運動をする周期を画像処理したものである。一般向け講座「J-PARCハローサイエンス」で” 宇宙一小さいコマ、素粒子を使って宇宙始まりの謎に迫る!”というタイトルで講演しました。ポスター、講演資料。